尼崎市の池田司法書士事務所 代表の池田です。

先日、司法書士の研修で、「医療現場における認知症高齢者の意思決定支援のあり方」というテーマで大学病院の教授のお話を聞かせていただきました。

私自身も成年後見業務をする中で、医療行為というのは非常に難しい問題に直面することが多々あります。

例えば高齢者の方の手術をする場合、手術をすることで体に負担がかかることもあります。

既に認知症を発症し殆ど寝たきりの方が、手術で一部の部位が治ったとしても、質の高い日常が送れるのかといったらそうではない場合もあります。

そして、認知症の人が急に入院を余儀なくされ、検査や手術を受けることになった場合、本人からの同意が得られずに、必要な医療行為が受けられないといった事例が生じています。
本人にとっても、本人が希望しない医療行為を受けることになってしまうということにもなります。

私は成年後見人の業務をしていますが、成年後見人は、医療契約を締結する権限はありますが、医療行為に関しての同意や決定権はありません。
そのことはあまり知られていないようで、病院から、医療行為の同意を求められることもたまにあります。

家族がいない重度の認知症患者の方の医療行為の同意に関して、医療の現場では、医療福祉関係者や、成年後見人等、本人のもともとの価値観や生活を知っている方にもカンファレンスに加わり話し合いをするプロセスを経ることが重要になるのではないでしょうか。

そこで、当職は認知症高齢者の方を支援する場合、可能な限り元気なうちにどんな医療行為を希望するのか、事前に聞いておくようにしています。

研修の中でもお話があったのですが、この20年間のうちに、身近な家族がいない所謂「おひとり様」の方が非常に増えたそうです。
医療現場でも、家族の支援が受けられない患者様の問題が顕著になってきているとのお話でした。

人は一人では生きてはいけません。

家族という形が変化してきている中で、社会全体で一人一人を色々な側面から支えていくシステムが必要だと痛感します。